制御

プログラマブルコントローラ

プログラマブルコントローラ(PCまたはPLC:プログラマブルロジックコントローラの略)は、主にFA、メカトロ機器をシーケンシャルに制御するコントローラで、従来使用されてきたリレー制御盤と比較して、仕様変更・保守・メンテナンスが容易であることと、小型で省スペース、データ処理ができる、というところにメリットがあります。
近年では計測からプロセス制御に加えて、データベースとの連携、ロボット制御にいたるまで、非常に広範囲に用途が広がっています。

プログラマブル表示器

プログラマブル表示器とは、FA現場の機械や装置の状態を表示(モニタ)したり、制御盤のスイッチとしてプログラマブルコントローラに入力情報を送ったりすることができる入力機能と出力機能を一体化したものです。
基本的にはタッチパネルにて表示・操作を行うパネルマウント型ですがハンディタイプのものも存在します。
上位機種には表示・操作だけでなく、各種通信・ネットワーク機能を備えたものや接続されたプログラマブルコントローラのプログラム動作状態をモニタリングできるものなど高機能化が進んでいます。

センサ

検出→判断→出力という自動化の流れのうち、はじめの部分検出の役割を担う機器がセンサーです。
自動化を人の体の働きに例えると、検出は視覚、触感などの五感にあたります。目や耳や皮膚で、色や音や温度などを感知するように、センサーは状態の変化をキャッチして、電気信号で次の動きへの指示を行う役割をしています。

測域センサ

レーザースキャナーとも呼ばれ、本体から照射されたレーザーによって、対象物の検出や空間位置情報を取得できる機器です。
自律移動するロボットに装着し、障害物回避、環境地図作成、自己位置推定、経路計画などのナビゲーションや物体の形状認識などに広く利用されています。あらかじめ設定したエリア内の物体の有無を判定して出力する測域センサを特に領域センサといい、中でも移動体に搭載される領域センサは障害物検知センサと呼ばれ、無人搬送台車や衝突被害軽減ブレーキなどの衝突防止システムに利用されています。

画像処理装置

生産現場では、1つのラインで多品種少量生産が進んでいます。製品の高付加価値、高品質化が進み、ますます複雑な検査(センシング)を要求されるようになってきました。製品の形状や色による品種判別や文字の読み取りなどは、目視検査に頼らざるを得ませんでしたが、人による目視検査に代わる物として画像処理があります。複雑な検査も長時間休むことなく、高速かつ一定の規準で正確に行うことができます。
近年ではロボットとの組合せも増えてきました。物の位置を判断してロボットにその情報を送り、部品の組立や、高速で物を運ぶことも可能になりました。人では難しい精密な作業や高速搬送という作業の実現に期待されています。

温度調節器

調節器とは、物体や環境をあらかじめ設定した状態にする、あるいは保持するためコントロールを行う機器です。物体や環境の状態を目的に応じたセンサで計測し、その入力値に対してヒータなどの出力機器への出力をコントロールするフィードバック制御を行います。

リレー

バトンを手渡しで走り継いでいく競技が運動会でありますが、制御でのリレーも、これと全く同じです。制御機器の場合では、「電気信号」をスイッチなどの入力機器から受け取って、表示灯やブザーなどの出力機器に伝える中継機器です。

タイマ

タイマとは、時間を数えるもので、設定した時間になると動作します。機能的にはリレーに時間設定機能がついたものになります。

カウンタ

カウンタとは、その名の通り数を数えるものです。物がいくつ流れてきたのかを数え、決められた数になったら出力信号を出すといった使い方をします。比較的単機能な商品ですが、自動制御では数のカウント、測長、計数結果の表示など、なくてはならないものです。

スイッチ

私たちの日常生活ではスイッチはたくさん見ることができます。部屋の電気、エレベータ、テレビなど様々です。スイッチには接点があり、スイッチを押すことで接点が切り替わり、電気が流れたり流れなくなったりします。最近では配線レスでスイッチの信号を送れるものも市場に増えてきました。

インバータ

直流電力を交流電力に変換することを逆変換といい、逆変換作用を行う装置を一般にインバータといいます。しかし、直電電源は一般には得られにくいため、周波数の一定な商用電源を整流する回路を付属させます。
整流器はインバータとして比較して単純な回路であり、役割も補助的であるため整流器を含んだ全体をインバータ装置、あるいは省略してインバータと呼びます。

ID・バーコード・2次元コード

生産現場において、製品に情報を持たせる手段としてIDおよびバーコード、2次元コードがあります。
IDとは、「Identification、同一であることの認識」の略で、IDカードと呼ばれるデータキャリアを介し情報の読み書きを行います。物に情報を持たせることでその製品がどのような状態であるのかが把握でき、さらに次の指示を与えることができます。データの読み書きは非接触で行うことが可能です。
バーコードとは、バーとスペースの組合せにより、英数字の情報をコード化したものです。
2次元コードとは、縦横の2次元で情報を持ちますので、バーコードと比較して格納できる情報が多く、英数字に加えて漢字にも対応できます。

無線機器

現在は通信回線にて音声のみならず、画像やコンピュータのデータなどデジタルデータを送る用途が増えています。工場内において、手書きで行っていた生産管理データや帳票への記入をタブレット端末に置換えるなど、各種データをへワイヤレスで送信することができます。デバイス機器同士や上位システム同士をつなぐための高所工事や配線工事等が不要になり急速に無線化が進んでいます。

変換器

変換器とは、各種センサの出力をそのままでは信号形態が違うためにコンピュータやPLCに入力できない信号を入力可能な信号に変換する機器です。 その他、記録計、カウンタ、メーター等の表示器や計測器に信号を渡す用途があります。あるアナログ信号を別のアナログ信号に変換することが主な役目ですが、パルス信号をアナログ信号に変えたり、アナログ信号に演算をかけた値を返すなど、その用途は様々です。
ほとんどの場合、制御盤、配電盤などの盤内に取り付けて使用します。省スペース形や超薄形、ラック取付形や現場設置用の2線式などの種類が豊富。設定方法もお客様のご要望に合わせて、パソコンを使うPCスペック形や設定器のいらないワンステップキャル方式などから、お選びいただけます。

産業用コンピュータ

FA業界においてもWindows環境で動作する汎用ソフトや専用開発したソフトを使用する機会があります。その際に使用するコンピュータには通常のパソコンにはない信頼性が求められます。湿度・温度・振動・EMC試験や連続稼働への高い耐環境性、保守部品の供給保障など、現場で長く使用するための信頼性を向上させてあります。
タッチパネルを搭載したパネルコンピュータと呼ばれるタイプも存在します。
ホストコンピュータや装置を制御するコントローラ等とネットワークで接続することにより工場内の統合的なシステムを構築することができます。

ネットワークシステム

コンピュータ機器同士をケーブルあるいは無線で接続したものがネットワークです。データを収集したり、モニタするには機器同士をネットワークへ接続する必要があります。工場においてはライン上の機器とコンピュータとを接続すれば、現場を見回ることなく生産状況やトラブルをモニタすることができます。さらにインターネット技術を生産現場に活用することで遠く離れたオフィスからでも工場の管理や生産指示が可能になったり、あらゆる設備・機器の状況データを収集し、分析することで生産現場の効率化にも貢献できます。

LAN・バス

バス(bus)とは、日本語で「母線」を指します。これが電気、コンピュータの世界では、デバイス(機器)間でデータを交換するための経路という意味合いになります。ですから、コンピュータやPLCで古くから用いられているRS-232Cも、コンピュータあるいはPLCと周辺機器との間でデータをやり取りするという意味でバスの1つです。

FA業界におけるバスとは

■PLCとセンサ・サーボモータ、視覚センサ、I/O信号等の設備機器間のデータのやり取り
■PLCとPLC、PLCとコンピュータ間のデータのやり取り

工場内のコンピュータ、PLC、周辺機器をバスで接続して1つの大きなネットワークを構成することは、工場管理、生産指示や設備ラインのモニタリングに貢献できます。設備に使用されている機器の予防保全にも役立つことができます。

異なる機器同士を接続してデータを交換するためには多くの約束事が必要になります。異なる言語を話す人との間で会話が成立しないのと同様で、機器同士も統一された通信仕様・規格がなければデータを交換することができないどころか最悪の場合、機器を壊してしまうことになります。このような仕様・規格は国際的な団体等により決定されることもありますが、メーカーが自ら策定して、その仕様を広く公開することがあります。これをネットワークのオープン化といいます。近年ではFA現場を1つのネットワークで統一してつなぐことができるようになってきており、異なるネットワーク間でもコンバートするゲートウェイ機器もラインナップされてきています。

コネクタ

パソコン、制御機器、計測器には必ずといっていいほど装着されているのがコネクタであり、他の機器同士をケーブルで結び、さまざまな情報のやりとりを行います。
コネクタはその機能、構造から考え、接触抵抗、絶縁抵抗、耐電圧、挿抜力といった電気的、機械的特性が重要です。種類も多く、形状が同じであってもピン数が異なるものがあり、選定には注意が必要です。

基板用部品

電子機器のダウンサイジング化は、ますます勢いを増しています。
小型・高機能化、高速化へと急ピッチで進化するコンポーネントに対する要求も高まっています。
そのような要求の中で、従来個々に設置されていた制御部品も基板上に実装し、製品の小型化・省配線化を可能にしました。 徹底した高機能化・小型化・薄型化の実現に各社力を入れています。